(アレルギーの症例:1)CAD(犬のアトピー性皮膚炎)に併発した膿皮症と心因性のかゆみ? ■犬 初診時9歳1か月
■病 歴:1歳くらいにアレルギーの検査(会社により信頼度が違います)をして何か内服
■アレルギーとしてインタードッグ(アレルギー療法の1つ)2か月、効果なし
    ステロイドに反応有
    かゆみがきつく(指間 下腹~尾)カラーつけっぱなし
    シャンプーは何か市販ので週1回

■初来院時:色々と行ったが治り切らないので来院
心雑音 いつからか不明 かかりつけでの治療を薦める
ALP(肝臓・ホルモン等に関係):1890 高い
FT4(甲状腺ホルモン):0.3未満 検出限界以下に低い
内服にステロイドがあるのでゆっくり中止後に再検査指示
*検査数値からはホルモン異常も疑えますが、内服をしていると異常値が出る事があります。変化を見る事が大切になる事も多いです。

全身に膿皮(ニキビみたいなの)・小環(それが破れた後にできる)・痂疲(かさぶた)が重度に発生している状態で異常な痒みの反応が手先を中心に出ている状態。

テープ押捺検査(少量の球菌とマラセチア)
*球菌・マラセチア(カビ)は常在です。ただし患者さんによっては過剰に反応します。
掻き取り・毛抜きによるDMSO-KOH検査(著変無し)
膿皮のツァンク標本(好中球・ブドウ球菌・好酸球・マクロファージ・少量の棘融解細胞)
*犬の皮膚は薄いので膿の検査を直接できるこの検査は非常に有効です。

膿皮からの培養(+:CEX・AMPC・GM・CVA/AMPC・FOM)
*有効な抗生剤の種類を調べています。通常は効く薬はCEXですが、難治の場合は耐性菌も、いますので、きちんと調べる事が非常に大切になります。

抗生剤CEX投与 精神的な安定も期待できるかゆみ止めのアタラックス投与
  ノミダニを徹底して除外する為に、駆除薬のレボリューションを多めに2週毎3回
球菌とマラセチアの数を減らす為に、マラセブシャンプー週2回
ステロイドは中止へ漸減

身体はちょっと分かり難いと思いますが、全身に酷いブツブツ(膿皮)やカサブタがあります。指の間はいかにも酷いですが、メインの理由は恐らく舐めるからですね。

■2回目来院
改善に乏しく、内服がちゃんと飲めないので2週有効の抗生物質の注射。 試供品で気にいったd/dを試す。 アロエコンディショナー併用。
痒くて自分でひっかく傷が痛々しいですね・・・。

*後日d/dは合わないとの事で元の食事に戻しました。まず食べる事が大切です。

■3回目来院
ALP:817 FT4:0.8 共に正常値に近づいてきています。 痒みは著しく減少もカラーを外すと足先は舐める。 テープ検査OKでマラセブシャンプーを週1回へ 抗生剤追加注射。 *抗生物質は3週を目安に、しっかり症状が消えて1~2週続けます。


■4回目来院
抗生物質追加注射 皮膚症状は更に改善、発毛


■5回目来院
ALP:545 FT4:0.4 数値は改善はしているが要注意で要定期検査ですね。 ただ根本的にホルモン病があるとは症状と改善具合からは思えません。
体幹皮膚は手先足先の指間炎を除いて完治。 しかし痒み動作は肢端に強い
心因的なものはあると思われるが、根本的にはCAD(犬アトピー性皮膚炎)だと判断。 *診断には病歴も大切です。CADで痒い事が手を舐める癖を作ってしまったと思います。
肢端は局所のステロイド(新薬があります)、膿皮症が完治したらステロイド等も必要かも。 耳は脂漏性外耳炎でしたので洗浄と外用をしています
カラーは継続指示です。今ここで舐めてしまうと逆戻りでしょう。 CADの場合は完治よりも上手に付き合う方法を探る必要があるかも知れません。

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