(ホルモン性疾患の症例:1)甲状腺機能低下症を伴ったアロペジアX(毛周期停止)疑い 副腎皮質機能亢進症や甲状腺機能低下症で投薬して治った、ではありきたりなので・・・。
■ワンちゃん ポメラニアン 初診時8歳1か月
■初来院時
毎年春になると脱毛する(段々酷くなっている?)・後肢にかさぶたで来院
テープ押捺・DMSO-KOH検査共に陰性(基本の検査ですね)
ノミ発見!
*まずノミがいたらノミを駆除するのが先決です。 つけ薬のフロントラインと飲み薬のコンフォティスにて駆除


■2回目来院時
皮膚は変わらず
*ノミだけなら改善しているはずですので、検査をしました。 ただし、頭部と四肢端に特に毛を残した独特の脱毛と肌触りのポメラニアンさんですので 「アロペジアX」と言う原因不明(ある種のホルモン異常)の脱毛症の話はしています
鑑別としてはまず甲状腺機能低下症が大切です。
甲状腺の検査T4:0.3(1.1~3.6)、FT4:0.3未満(0.5~3.0)と両方相当に低く、 逆に甲状腺のホルモンを出そうとTSH:0.37(0.08~0.32)ng/mlは高く、 一次性の甲状腺機能低下症である事は確定しました。
ですが・・・全然生えません・・・。 検査をしながら十分量なのを確認して半年以上しても・・・生えません。
もし甲状腺の問題だけなら半年で皮膚の症状の改善が見え始めるはずです。 そこで1年して「アロペジアX」なら3~4か月で有効率60%のメラトニン投与を提案しました。アロペジアXは人間の若ハゲ似ているとの話もあります。要するに甲状腺機能低下症と違って、身体そのものに大きな影響が無く、皮膚だけの話なので焦って無いのです。
 ☆すると3カ月程度でまばらに生えてきました!嬉しい事です!

写真がイマイチですいません・・・生えたと言っても、まだ束状にムラに生えてきているのが現状です。それでもっと生えて欲しいとメラトニンを増量したら下痢をしました。 因果関係は正確には不明ですが、あくまでメラトニンはハゲの治療になりますので、安全な薬ですが、生活の質を下げるなら無理な薬の増強はしません。
現在甲状腺のホルモンとメラトニンでゆっくり発毛を待っています。 もっと生えたらまた写真をアップしたいです。

■その後は・・・
あまりメラトニンと甲状腺ホルモンに反応が無かったのですが、全身の酷い膿皮症になったのをきっかけに急激に発毛してくれました。 アロペジアXは生検などの皮膚ダメージ後に発毛しますが、ここまでの反応は初めてです。この事は偶然ですが、新しい治療につながるのかな・・・なんて考える発毛ぶりでした

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