(ホルモン性疾患の症例:2)表在性膿皮症?アトピーで?実は若齢性の甲状腺機能低下症 ■ワンちゃん・ゴールデンレトリバー・♂・初診時4歳8か月

■既往歴:半年前膿皮症の治療をしたが再発する

■初診時
先月から脱毛・色素沈着・かゆみは軽度
鼻・脇腹・臀部に色素沈着を伴う脱毛 腹部に表皮小環を伴う膿皮
耳は脂漏性外耳炎
確かに膿皮症は腹部全体にあって酷い状態です。外耳炎もあります。
ですが単純な感染の膿皮症やアレルギーと言うより、犬種そして症状からはホルモン性の疾患(特に甲状腺機能低下症)を疑います。年齢が若いのがちょっと普通では無いですが・・・。
甲状腺のホルモン検査は高い検査なんですが、この子の場合は早速させて頂きました

T4 <0.3(0.5~3.0) と低下、 TSH0.34(0.08~0.32)と上昇 で甲状腺機能低下症と 確定しました。ではホルモンを飲めば良いのか?と言うとそうでもありません。 犬種・年齢・心臓病などを考慮して少しづつ治療しないとダメな場合も多いです。 この子の場合もコツコツと少しから反応をみる必要がありました。
またホルモン以外にもちゃんとスキンケアも必要になってきます。 膿皮症は膿皮症です。弱った皮膚に感染が起きますので、それを抗生物質で治療し、再発防止に薬用のシャンプーをします。慢性疾患は焦らず治療しなくてはなりません。

■2か月経過
膿皮症はすっかり改善で発毛してきていますが、マラセチアと言うカビが発生しました。 誰にでもいる常在のカビですが、甲状腺のホルモンが少ないので増えやすいのです。 専用のシャンプーをします。強い内服までは通常不要です。


■4か月経過
発毛しかなり改善ですが、甲状腺のホルモンはT4 0.8(1.1~3.6)と少なめで薬を増量です。 こんな風に少しづつ、検査をしながら、反応を見ながら増やしていきます。 元々の可愛いお顔が戻ってきました!身体全体の活気も増えてきました。 甲状腺機能低下症の場合大体半年程度の内には結果が出る事が多いです。

ほとんど見た目は治りましたが、それでもスキンケアは必要で、たまに皮膚や耳には症状が出ます。必要なホルモン量もちょっとづつ進行に応じて量が増えたりもします。 でも熱心なご家族のお蔭で最初の状態より、ずっと良い生活を送れています! 基本的には膿皮症で間違い無かったのですが、背後に何かありそうな場合は早めに検査をした方が、その後の治療を考えると近道になる場合もあります。

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