(感染症の症例:7)顔がパンパンに腫れました!→アレルギーかな・・・と思ったら!! ワンちゃん・シーズー・11歳11か月
■病歴:生後2か月齢からの外耳炎に始まり、皮膚のトラブルは多い子でした。
    性格的な事も有り、なかなか身体のお手入れもできません・・・。

■来院時:今朝から急に顔がパンパンに腫れた!との事で来院されました。昨日までは元気食欲は有り、思い当る事は無いとのお話ですが・・・。
     確かにとんでもない位に腫れています!目が全く開かない位です。



見た目も経過も可能性の1つとしては何らかのアレルギー反応の可能性も有り得ます。
僕達獣医師はワクチン後のアレルギーをたまに見るのですが、場合によっては顔がアンパンマンみたいにパンパンになります。過去には「缶詰を食べてから」「歯磨き粉を使って歯を磨いてから」「草むらに入ってから」等のパターンも有りました。この子は思い当る事は無いとの事ですが、ここまで急に腫れるならアレルギーかな?何かに刺されたかな?・・・と腫れを引かせる為にステロイドを打とうかと思いました。

が・・・。いや、ほんとにアレルギー!?改めて耳を見ると化膿性外耳炎が重度です。通常はしないのですが、恐る恐る顔の腫れた所を刺して吸引してみると、化膿性の炎症で出現する細胞と球菌や壊死物らしきものが多数出現しています・・・膿!?頭部全体が全部化膿しているとは思い難いですが・・・。

■投薬後:
とりあえずステロイドは止めて、抗生物質中心に治療を開始しました。
ですが腫れは抑えきれずに拡大してきましたので、大きく前頭部を切開してみると膿と共にガスが! ガス産生菌なのでこんなに腫れたのかも知れません。 再度貯まらない様にドレーン(黄色矢印の管)を挿入しましたが、頭部の皮膚の色が余り良くありません。










~この後の写真は血等に弱い方はご覧になられ無い様に!~








排膿処置をしても皮膚のダメージは大きく、9日目に黒かった皮膚が脱落して、なんと頭蓋骨が一部露出 してしまいました・・・!しっかり縫ってしまうと再度膿が溜まりますが、露出していると骨は乾燥し腐 骨になってしまう恐れが有りますですので、ラフに縫って骨だけ隠して後はひたすら洗浄です!



大変でしたがご家族の頑張りのお蔭もあり、20日で殆ど元に戻りました! 耳掃除も大変な子なのに本当によくお世話をされたと思います。
耳が悪い限りは再発のリスクが有るので、後は一緒に耳のケアを頑張っています!

皆様も外耳炎も酷くなると顔全体がこんなに大変な事になる!と注意して耳のケアを頂けると幸いです。



今はすっかり元通りになっています!



半年して結構毛も生えてくれました。

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