(その他の症例:13)耳のイボをレーザーで焼いてもらったら・・・知らないと分からない病気になってしまいます。その2 ■アメリカンコッカースパニエル 初診時:11歳9ヵ月 去勢♂
■病歴:甲状腺機能低下症や肥満細胞腫などがあり、術後の抗ガン治療もしているそうです。皮膚が弱く、外耳炎などが慢性的にあるそうです。

■初診時:2か月ぐらい前に持病の外耳炎でレーザー療法をして耳道を焼いたそうです。その後左顔面神経麻痺になってしまったそうです。

眼瞼が閉じなくなったので、乾燥防止に人工涙液を投与し、抗菌点眼をし、シクロスポリン点眼をし、ピロカルピン点眼の経口投与をしていたそうですが、段々とお鼻の異常が進行してきたそうです。

今は顔面神経麻痺は収まってきたはずのに、鼻は悪化しているそうで悩んで来院されました。




なるほど、これは知らないと心配ですね。ですが知っていると「おぉ・・・すごい典型的だ・・・」となります。もちろんご家族様は分からないので、獣医師が予後や対策をお話できると良いのですが・・・。

まずは顔面神経の麻痺の具合を確認します。 神経学的検査をすると、もう今は治ってくれているみたいです。

ただし耳道の手術後の顔面神経麻痺は失敗では有りません。これは顔面神経が耳道のすぐ近くを走っていて、元々炎症などで影響を受けているために非常に発生しやすいのです。耳道内からのレーザーでの発生はあまり聞かないですが、恐らくは顔面神経が影響を受けたのでしょう。

ですが、完全に切断でもしない限りは1~2か月で自然治癒します。その間は目が乾燥してしまわない様に頑張れば大丈夫です。 人工涙液としては蒸発しないタイプが良いと思いますし、シクロスポリン点眼はあんまり要らないと思いますし、ピロカルピン点眼の経口投与は教科書的ですが苦くてのめたもんじゃ無いですが、良かったです。 で、お鼻ですが・・・これは「副交感神経性鼻部角化亢進症」です。顔面神経の支配を受ける副交感神経の異常から起こります。 治療方法はありません。ですが、顔面神経麻痺の様に患部を保護しながら時間が経てば治る事が殆どです。 鼻には舐めても大丈夫なヒジダコ用のクリームを塗布したり、ワセリンを塗布したり・・・。 一番大事なのは「こういう理由だから、こうなっていて、半年以内に治りますよ」とお伝えする事です。

もちろん鑑別として鼻道の疾患などもお話しながらですが、基本的には経過からは間違い無さそうです。

さて2か月後・・・(手術から4カ月)





スッカリ治りました!鼻紋(鼻の模様)も有るので、後は日ごとに良くなるでしょう。


後は外耳炎の日々のケアを頑張るのが大切ですが、大切にされて、よく変化を見て頂いているので安心です。

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