(その他の症例:3)膿皮症?に見えるけどカラーダイリューションアロペジアだった症例 その他の症例は知っていれば治療や説明にすぐに辿り着き易いですが、逆に知らないと無用な薬や検査をする事になるので要注意の病気があります。
■ワンちゃん イタリアングレーハウンド 初診時10か月
■病歴:最初は僕が診察していませんでした。皮膚は確かに弱そうですが・・・?
真菌培養を含めた各種検査を行いましたが特に著変はありません。シャンプーや抗生剤での治療を開始していました。当初は虫喰いの脱毛でただの真菌症や膿皮症みたいです。

ですが診察時に毛を見ると、独特の毛です。黒い塊はメラニン(黒い色の元)の塊ですが、不規則な大きさと形をしています。 あの病気かな~って感じですが、まだそんなに広がっていませんのでお話はしつつ様子見です。
とりあえずあの病気なら結局はスキンケア位しかする事がありませんので・・・。
脱毛が進み、フケが少し増え、時々細菌やマラセチア(真菌)による感染を起こします。 この子みたいなグレーの淡い色に稀に発生する「カラーダイリューションアロペジア(CDA:淡色被毛脱毛症)」の疑いが濃くなりました。CDAは異常なメラニン生成が原因になる脱毛症です。犬種的にもイタリアングレーハウンドは怪しいです。

やっぱり脱毛は可哀想ですので、50%では有効なメラトニンの投与をしましたが奏功せず脱毛が体幹全体に広がり、なぜか関係無いはずの足先の白い毛が少し抜けてきて、フケもちょっと普通のCDAより多い感じがしたので、念の為に確定診断をさせて頂きました。


異常な巨大なメラニン塊が多数認められました。 やっぱりCDAでした。メラトニンで改善しなければ、基本的にはスキンケアと二次感染予防しか無いのですが、それだけに病気の確信を持って治療をできるか?は非常に大切な事です。恐らく白い毛が抜けたのは足先の指間炎の影響でしょう。
もちろん脱毛そのものも気になりますが、脱毛だけが症状であれば、この病気に対して無理に薬を継続する必要も無いかな?と思います。病気に対して確定診断が取れていれば、アドバイスがしっかりできるので、できるだけの確定診断を目指しております。


病理検査の結果が確定したので、思い切ってメラトニンを増量したら段々と生えてきました!二次感染も最近無くなってきました。

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