(その他の症例:9)耳の中では無く、周囲の病気も有ります。耳介辺縁皮膚症のワンちゃん ■犬 ボストンテリア 初診時3歳9か月 避妊♀
■病歴:2年前からアレルギーとの事で治療しているが、耳の先が乾燥して皮膚が剥がれる様になってきた。冬はマシで春に悪化する。ステロイドは余り効かない感じ。



動物種・品種に限らず、耳の先に症状が強く出る場合が有ります。 アトピー性外耳炎から痒くて掻いて自傷していたり、外耳炎で言えば二次感染も含めてマラセチア(酵母菌)・ミミダニ等で炎症を起こし痒くて自傷したり、同様にカイセンダニやニキビダニの感染も有り得ます。目に見える虫では蚊に刺されて・・・も有り得ます(特に黒い色の子)。更に変わった病気では血管炎・寒冷凝集素病・エリテマトーデス等の免疫絡みの病気も有ります。単に寒いだけで凍傷に成る場合も有るでしょう。或いは腫瘍の場合も有り得ます(特に白い猫さんは日光に当てるとリスク上昇!)そして角化異常による脂性のケラチン様物質の蓄積による耳介辺縁皮膚症も有ります。

さて今回は何を第一に考えるでしょう?
症状は確かに可哀想ですが、皮膚は隆起せず出血や潰瘍では無いのでややこしい自己免疫性の疾患や腫瘍はひとまず置いておいても良さそうです。疑わしくなったら特殊な血液検査や皮膚生検の検査が必要ですが、現時点では優先しなくても良いでしょう。アレルギーで治療をしているので、その外耳炎や皮膚炎から・・・は有っても不思議では無いですが、ステロイドの効きがイマイチだし、まだらな脱毛や皮膚炎が乏しい事や独特のフケが気になります。

季節的に冬が悪くなる寒冷凝集素病は「冬にマシで春に悪化」と言うお話からは基本除外ですが、冬に寒さを防御したり、発毛も兼ねて血流改善薬を投与する事は特に害が無いのでお勧めできそうです。各種感染症は複合的に検査をして除外をした上で、それでも蚊も含めて予防できるものは予防した方が良いでしょう。今は簡単に使用できて信頼性のある予防・駆除薬が沢山有ります。

・・・と、言う事で耳介辺縁皮膚症をまず疑って治療をしてみました。この病気の場合は基本的には外用が治療の中心ですが、早く発毛する事も願ってある種のサプリも併用しています。耳道は優しい洗浄液で洗うだけで特殊な事はしておりません。

他院では長期間治らなかった耳ですが、4か月後には綺麗に生えて皮膚も健康になり、再発も防止できています!これもマメな治療を重ねて下さったご家族の努力の賜物です。


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