(免疫介在性疾患・自己免疫性疾患の症例:2)発疹と思ったら自己免疫性血小板減少症だった!
■ワンちゃん マルチーズ 初診時7歳5か月 ♂(右陰睾)
■病歴:慢性的な下痢でアミノプロテクト(アミノ酸分解食)管理中
■某年4月1日 健康診断にて血小板他OK
■4月18日 当院にて狂犬病ワクチン接種
■4月20日 夕方から皮膚が赤い?内股に丘疹散在
耳介・左わき・背などにやや大きい(でも7mmとか)内出血?との事で来院
■病歴:慢性的な下痢でアミノプロテクト(アミノ酸分解食)管理中
■某年4月1日 健康診断にて血小板他OK
■4月18日 当院にて狂犬病ワクチン接種
■4月20日 夕方から皮膚が赤い?内股に丘疹散在
耳介・左わき・背などにやや大きい(でも7mmとか)内出血?との事で来院
確かにあるのですが、かなりよく見て下さる方なので分かった程度でした。 症状が軽く、狂犬病注射の直後でしたので、抗ヒスタミン薬のみで様子をみました。
■4月22日 皮膚は変わらないか少し改善?
■4月24日 右膝に直径1.2cmの大きめの内出血と紫斑 左臀部5~7mmと広がり
右下口唇に針で突いた程度の小さい点・・・念の為に精査をしましたら・・・
貧血は無いが、血を止める為の血小板が4000/μlと激減(通常20~50万)!
恐ろしい程の血小板減少症です。止血異常等が無いかを鑑別する事が必要です
止血能力の検査はPT 7 /APTT 14 /FDP 2.3/フィブリノーゲン307と全てOK
赤血球の自己凝集無し 血の再生を示す網状赤血球多数
■4月22日 皮膚は変わらないか少し改善?
■4月24日 右膝に直径1.2cmの大きめの内出血と紫斑 左臀部5~7mmと広がり
右下口唇に針で突いた程度の小さい点・・・念の為に精査をしましたら・・・
貧血は無いが、血を止める為の血小板が4000/μlと激減(通常20~50万)!
恐ろしい程の血小板減少症です。止血異常等が無いかを鑑別する事が必要です
止血能力の検査はPT 7 /APTT 14 /FDP 2.3/フィブリノーゲン307と全てOK
赤血球の自己凝集無し 血の再生を示す網状赤血球多数
取り急ぎ大量のステロイド療法を 開始しました!
■4月27日 皮膚は改善傾向 PCV47.5% 血小板24000/μlに増加
■5月1日 皮膚OK ステロイドに加えシクロスポリン併用
■5月6日 歯周病の悪化がありましたが
■5月9日 PCV43.1% 血小板224000/μl
■5月17日 PCV41.6% 血小板632000/μl
■6月1日 PCV43.8% 血小板574000/μl
と順調に回復してくれました。もちろん皮膚は何もありません。
以後ステロイド漸減中止・シクロスポリン漸減中止。2か月かけて投薬終了へ向かっています
*本当にしっかりと観察してくれているオーナー様で命拾いしました。 特にマルチーズさんではワクチン後に免疫の疾患になる事はありますが、 今回の根本原因は狂犬病注射だったのか?は残念ながら分かりません。